武蔵野市の松下玲子(前)市長が菅直人衆議院議員の後継として次の国政選挙に出馬するため任期半ばで辞職。
それにともない12月24日に投票が行われる武蔵野市長選挙が12月17日に告示されました。
立候補者を届出番号順に紹介します。
この記事は特定の候補者の当選、もしくは落選を目的としたものではありません。
2人の武蔵野市長候補者
届出順(ポスター掲示場の番号順)に紹介。
オミノ安弘(おみの やすひろ)
公式サイト @OminoYasuhiro
無所属 1962年生まれ。
自民党、公明党から推薦。
国民民主、都民ファーストの会へも推薦を申請しているという記事がありましたが、17日時点では推薦は出ていないようです。
新聞などでは11/28に自民党を離党とありますが、武蔵野市の選挙結果ページでは、都議選に落選したとき以外は「無所属」と記載されています。
市議としては、主に自民党所属の議員からなる会派「自由民主・市民クラブ」に所属していました。
武蔵野市議としての当選回数は6回。前回の得票数は2,875票です。
東京都議会議員も一期経験しています。
漢字だと小美濃で、吉祥寺が吉祥寺と呼ばれる前から住んでいる地主の一族です。
祖父の小美濃文太郎氏、叔父の小美濃基二氏も武蔵野市議を務めました。
コピス1階の「オミノ洋傘店」、稲荷通りの「小美濃造園」などでオミノという名前を見かけます。
本人は東京電機大学建築学科を卒業後、積水ハウスに約9年間勤務。一級建築士、宅建士の資格を所有。
1995年に武蔵野市議選に初当選。都議選に2度落選して6年間浪人生活を経験したこともあります。
全国的な話題にもなった住民投票条例案については、市民の理解が十分に得られていないなどの理由で反対しています。
オミノ安弘の政策より
政策としては以下の通りです。
- 首都直下型地震への対策
- オンライン授業の実施
- 二中・六中の統廃合を白紙に
- 吉祥寺地区の入院ベッド数の増床
- ムーバスの水素バス化などの環境対策
- ペットボトルを毎週回収
- 80歳まで働ける武蔵野市公共サービス公社の創設
- 0123施設を武蔵境地区につくる
- 学校給食の無償化
- 三鷹駅北口ロータリーの改良
- レモンキャブを子育て世帯も利用可能に
政策について語る動画
笹岡ゆうこ(ささおか ゆうこ)
無所属 1986年生まれ
立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新撰組、武蔵野・生活者ネットワーク、緑の党グリーンズジャパンが支持
尊敬する政治家は元農林水産大臣の山田正彦氏と、世田谷区長の保坂展人氏。
武蔵野市議としては、同じく無所属のさこうもみ氏と「みらいのムサシノ」という会派を組んでいました。
市議の当選回数は2回。1期目を終えてからの3年は夫のブラジル赴任に帯同しコロナ禍のブラジルを経験。
その後日本に帰国し、2023年4月に2回目の当選(2,983票)を果たしました。
経歴としては立教大学社会学部を卒業して総合商社の住友商事へ入社。切迫早産により退社。
2011年の原発事故で強烈な政治不信におちいり、政治の勉強を開始。
2012年からはママ&キッズファッション誌「SAKURA」で読者モデルとしても活躍。
2014年に山田正彦炉端政治塾へ入塾。2015年に武蔵野市議に初当選しました。
現在は「子どもの育児」と「父親の介護」のダブルケア真っ最中とのこと。
ご本人のFacebookへの投稿によると、市内の実家に住む父親が要介護3だそうです。
「市民の党」ではないかと言われることがありますが、1期目に組んでいた会派「空(そら)」の他の3人が、市民の党のメンバーであったというのが正確な情報になります。
2015年の選挙活動で小さな子どもにビラ配りをさせたのではないかという記事が残っていますが、子どもたちがビラを配ったのは告示前の政治活動中だったので、未成年の選挙活動を禁止する公職選挙法に触れる行為ではありません。
住民投票条例案が否決されたときは市議ではありませんでした。
選挙ビラには「市民みんなの熟議の上で、常設型住民投票制度を作ります」と記載されています。
また、今回の選挙にあたり、日本共産党武蔵野三鷹地区委員会と「2023年 武蔵野市長選挙に臨む政策・組織協定」を締結しています。
笹岡ゆうこ氏の政策より
政策としては以下の通りです。
- 学校給食の高い質を維持した上で無償化
- 2050年までにゼロカーボンシティに
- 上下水道の耐震リニューアル
- 安心して暮らせる在宅支援
- 多文化共生プランを積極的に推進
- 3駅圏それぞれの個性を活かしたまちづくり
- 市民みんなの熟議の上で常設型住民投票制度
政策について語る動画
6人の武蔵野市議補選候補者
2議席を決める市議補選には、6名が立候補しています。
ざっとですが届出番号順に紹介します。
村上あき(むらかみ あき)
やなか竜夫(やなか たつお)
山崎たかし(やまざき たかし)
自民党推薦。
前回の市議選では1,009票を獲得するも36票届かず次点の27位。
このときは参政党の公認を得て出馬しようとしていましたが公認審査を不合格となり離党しての選挙でした。
ペット向けのお土産や、ノベルティーの企画開発販売を行う「株式会社ペットのおみやげ」の代表取締役。
住民投票条例に反対しての政治活動を継続していました。
選挙ドットコム @yamazakimusashi
鈴木なりさ(すずき なりさ)
ますだ玲子(ますだ れいこ)
菅源太郎(かん げんたろう)
岡山1区で衆議院選挙に2度落選した経験があります。
2013年からは父である菅直人衆議院議員の秘書を務めています。
菅直人氏がこれまで世襲を厳しく批判してきたため、菅直人氏の地元の武蔵野市での出馬には厳しい意見も。
政治活動のビラでの松下玲子氏との対談では、菅直人氏の選挙区を継ぐのは松下玲子氏なので自分は世襲には当たらないと言っています。
ホームページ、選挙ビラには「住民投票制度の実現を」との記載があります。
公式サイト @kangentaro
2連ポスターと演説会日時
2人の顔が印刷された「2連ポスター」は、急な選挙のため貼り出される期間が極端に短かったです。
選挙が始まると剥がされてしまうため、見てない!という人も多いと思いますのでここで紹介します。
きちまめが発見できたポスターのみの紹介となりますのでご了承ください。
オミノ安弘&自民党関係者
オミノ安弘氏は、同じ会派だった「自由民主・市民クラブ」のメンバーと、自由民主党東京都第18選挙区支部長の福田かおる氏との2連ポスターを貼っていました。
2連ポスターには、同じ選挙区の同じ選挙に出る人同士の2連ポスターは個人ポスターとみなす。というルールがあります。
選挙管理委員会としては現職の議員は自動的に次の選挙にも出るとみなすため、現職の同一選挙区の市議同士の2連ポスターは個人ポスターとみなすとのこと。
また、選挙事由が発生したという告示(今回の市長選では11/13)以降は、候補予定者は個人ポスターの掲示がNGとなります。
この2つが合わさることで、オミノ氏が市議を辞職するまでの数日間は違反状態であったと選挙管理委員会は認識しているとのことです。
笹岡ゆうこ&元市長、前市長
笹岡ゆうこ氏は松下玲子前市長、邑上守正元市長との2連ポスターを貼っていました。
邑上守正元市長は今回の笹岡ゆうこ氏の活動を中心となって応援しています。
山崎たかし&福田かおる
市議候補の山崎たかし氏は、自由民主党東京都第18選挙区 支部長の福田かおる氏との2連ポスターがありました。
街中には貼っていないのか見つけられず、街宣車に貼っていた物を遠くから撮った写真しかありません。
鈴木なりさ&さこうもみ
市議候補の鈴木なりさ氏は、現職市議のさこうもみ氏との2連ポスター。
おそらく数ヶ所にしか貼られていなかったため、目にしていない人も多いかも知れません。
現職市議同士の2連ポスターがNGなら、これも不味いのでは?と思うかも知れませんが、こちらは今回の市議補選と2027年の市議選とで別の選挙のため問題ありません。
菅源太郎&松下玲子
市議候補の菅源太郎氏は、前市長の松下玲子氏との2連ポスター。
ちなみに掲示責任者は菅直人氏でした。
2連ポスターに記載の演説会日時
- オミノ安弘&自民党関係者:12月16日11時 三鷹駅北口(終了)
- 山崎たかし&福田かおる:未確認(おそらく12/16)
- 笹岡ゆうこ&元市長、前市長:2024年1月6日10時 三鷹駅北口
- 鈴木なりさ&さこうもみ:2024年1月18日13時 吉祥寺駅北口
- 菅源太郎&松下玲子:2024年4月1日 三鷹駅北口
選挙期間中のポスター
選挙が始まると、本人の顔や名前が分からないものへと貼り替えられます。
誰に投票するかどうやって決める?
演説を聞いたり、選挙ビラを読んだり、公式サイトを見たりするのがベストですが、忙しい人はやっぱりまずは選挙公報を読みましょう。
各家庭に投函されますが、すでに武蔵野市のサイトで公開されています。
「公認」「推薦」「支持」って?
選挙公報にも「○○党推薦」とか「○○党公認」とか「支持します」とかって書いてある人がいます。
これについて少し説明します。
さらにより弱い繋がりで「支援」というものもあります。
今回の選挙では、市長候補ではオミノ氏が2つの党から「推薦」、笹岡氏が6つの政党・団体から「支持」を受けています。
市議候補では、菅氏が「公認」、山崎氏が「推薦」を受けています。
アンケートもチェックしよう
アンケートは同じ質問に対する回答なので、違いがよりハッキリします。
いくつかの団体がアンケートを行っています。
一般社団法人武蔵野青年会議所
青年会議所が行った市長候補予定者2名による公開討論会の前に実施された事前アンケートが公開されています。
討論会の動画も配信されているのでぜひご覧ください。
Meetむさしの
現市政への評価、政策分野の優先順位など。候補者向けのアンケートだけでなく、市民向けのアンケートも集計しています。
武蔵野市の住民投票条例を考える会
住民投票条例案に特化したアンケートです。
それでも決められなかったら白紙で投票しよう
たとえ白紙であっても自分の年代の投票率は上げられます。
選挙に関心の高い年代に対しては、有利な政策が打ち出される可能性があります。
武蔵野市選挙管理委員会は、5歳刻みで投票数を計測しています。
もちろん選んで投票するのがベストですが、どうしても選べず棄権しようと思っている人は、白紙という選択肢もあると覚えておいてください。
デザイン入りの投票済証がもらえます
投票した人がその場で希望すると「投票済証」がもらえます。
自分の名前が書いてあるわけでもないので、法的な証明になるわけではありません。
武蔵野市では前回の選挙から、デザイン入りの投票済証になりました。
市内の子どもたちを対象にした選挙啓発ポスターコンクールの選挙推進協議会会長賞を受賞した作品がデザインに採用されています。
自分から言わないともらえないので、記念に欲しい人は投票後に係員に「投票済証ください」と声をかけましょう。
クリスマスイブは忙しいという人は前もって投票をしておきましょう。🗳️