
オオバン、シジュウカラ、カルガモ
井の頭恩賜公園、とくに井の頭池にはたくさん野鳥、水鳥がいてバードウォッチングに最適。
一年中ずっといる鳥もいれば、冬の間やってくる渡り鳥もいます。
見た目もかわいいし、鳴き声もかわいいです。

禁止事項やマナーをしっかり守って野鳥を守りましょう。🐦
井の頭公園からの注意事項

野鳥観察マナーアップののぼり
井の頭恩賜公園の公式サイトの「公園からの注意事項」から引用。
野鳥の観察や撮影をしたい
- 営巣中(巣作り中含む)の巣(巣穴・巣箱・巣台などを含む)、およびその巣にいるヒナあるいはその巣に入ろうとしている親鳥の撮影はご遠慮ください。
- 撮影を目的とした餌付けは禁止しています。
- 撮影のために植物の移植や剪定、土砂や岩石の移動といった環境の改変は禁止しています。
- 道で集団になっていたり、三脚を並べていたりすると、通行の妨げになります。三脚利用は可能ですが、通行の邪魔にならないよう撮影してください。公園利用上の支障になると判断した場合は、ご遠慮いただくことがあります。
- 近隣の方々の生活や仕事を覗くような形にならないよう、レンズの向け方には注意して下さい。
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/seibuk/inokashira/rules.html#rules09

ただ、「知らなかった!」という人もけっこういると思いますので、解説します。
巣を撮影するとひな鳥が死にます

カイツブリの巣に近づけないように置かれた柵(2020年5月)
巣、巣にいるヒナ、巣に入ろうとしている親鳥の撮影は止めましょう。
子育ての時期、親鳥はとても神経質になっています。
驚いたり、危険を感じたり、環境が変わったりすると、その巣を見捨ててしまうことがあるんです。
もちろん撮影しなければ良いというわけでもありません。
人間に見られていると、警戒して巣作りをやめてしまったり、巣に親鳥が戻れずに卵が冷えて死んでしまったり、エサをとってきた親鳥が戻れずにヒナがエサを食べられなかったりします。
また、親鳥が巣を放棄しなかったとしても、巣が捕食者にみつかるきっかけになることも。
巣の写真をSNSにアップするのもやめよう
野鳥の知識があれば、親鳥に悪影響を与えないように撮影することもできるでしょう。
それでも、巣の写真をネットにアップするのは控えましょう。
特にSNSで、どこの写真かわかる状況でのアップはおすすめしません。
その写真を見た初心者が、自分もやってみようと巣を探したり、巣をスマホで撮影したりするかもしれません。
スマホの大きなシャッター音は、野鳥にとって大変なストレスでしょう。
野鳥にストレスを与えないようにしよう
巣周辺に限らず、野鳥にストレスを与えるのは厳禁です。
野生の動物からすれば、人間が近づいてくるだけで大きなストレスです。
ストロボを使ったり、近づきすぎたり、音を出してわざと飛び立たせるような行為は止めましょう。
野鳥の雛を拾うのは誘拐です
春~夏にかけて、地面にいる野鳥の雛をみかけることがあります。
ひな鳥しかいないように見えても、多くの場合は近くで親鳥が見まもっています。
迷子だと思って保護すると、結果的に親鳥と引き離すことになってしまいます。
人がそばにいるとかえって親鳥が近づけません。基本的には野生動物はそっとしておいてあげましょう。

たまにメジロやスズメなどの野鳥の違法飼育がニュースになりますよね。🐤
餌付けも野鳥を殺します

餌やり禁止の看板があちこちにあります
かつては、井の頭公園では多くの人が鯉や鴨にエサをあげていました。
公園内でエサを販売するお店があり、悪いことという意識はほとんどありませんでした。
市民団体「井の頭かんさつ会」による「エサやり自粛キャンペーン」などにより、今では餌やりをする人は減りました。
エサやり自粛キャンペーンが行われたきっかけとして、餌やりが原因でカイツブリの幼鳥が後から生まれたひな鳥を次々と死なせてしまったという事件がありました。
人間からエサがもらえるため、幼鳥がなかなか魚とりを覚えずひとり立ちが遅れたのが原因です。
餌付けが良くない理由として、水が汚くなる、人間の食べ物は鳥の体に悪いなどもありますが、もっと直接的にひな鳥を死に追いやることもあるんですね。

遠慮せず観察できるポイント
井の頭池の水鳥の他にも、鳥を観察できる場所があるので紹介します。
小鳥の森(バードサンクチュアリ)

小鳥を観察するための小窓
井の頭恩賜公園の西園に400mの陸上トラックがあります。
そのすぐ近くの玉川上水沿いに鳥のさえずりが響く「小鳥の森(バードサンクチュアリ)」はあります。
ツミ、ツグミ、シロハラ、ルリビタキなどの小鳥のために保全されたフェンスに囲まれた森です。
森の中に入ることはできませんが、北側には小鳥を観察するための小窓が開いた木製フェンスがあります。

運が良ければ小窓から水を飲みに来る小鳥を観察できます
井の頭自然文化園

餌を食べる井の頭自然文化園のアヒル
鳥をめいっぱい観察したいなら、井の頭自然文化園もおすすめです。
いわゆる井の頭動物園です。
特に分園(水生物園)の方にはたくさんの種類の鳥がいます。
本園(動物園)にも野鳥がいる「野鳥の森」ゾーンがあります。

マナーを守って野鳥撮影をもっと楽しもう

水辺に近づきたいからと柵を乗り越えないでください
これらルールは、何も井の頭公園に限ったことではありません。
日本野鳥の会が公開している「野鳥の撮影マナーの向上を呼びかける小冊子」が分かりやすいのでごらんください。
ちなみに多くの野鳥のフォトコンテストでは、こういった野鳥撮影のマナーが守られていない写真は審査ではじかれます。
もしマナー違反の写真が受賞しても、すぐにネットで炎上します。
意図的に鳥を飛び立たせて撮影した写真がとある写真展で賞を受賞しましたが、炎上してサイトから非公開となったことがありました。

知らなかったという人は、これから気を付けましょう。