
春の狛江橋
吉祥寺駅からほど近い井の頭恩賜公園。
スワンボートでお馴染みの井の頭池には、いくつもの個性的な橋が架かっています。

御殿山橋~神田上水橋)
御殿山(ごてんやま)エリア
まずは井の頭動物園こと井の頭自然文化園のある御殿山エリアから。🐒
いきなりイレギュラーですが、陸橋がひとつあります。
御殿山橋(ごてんやまばし)

御殿山橋は、いわゆる歩道橋です
井の頭自然文化園の分園と本園との間にある1962年に完成した陸橋。
吉祥寺通りを渡るための横断歩道橋です。
階段なので、自転車の方は少し移動して横断歩道を渡りましょう。

橋名板と御殿山橋から見える富士山
御殿山橋からは天気が良いと富士山が見えます。⛰️

井の頭池(いのかしらいけ)エリア
井の頭池には、絵になる橋がいくつも架かっています。
なんとなく上流側から紹介。🦢
お茶の水橋(おちゃのみずばし)

石造り風の「お茶の水橋」
インスタ映えする、石造りに見える2連アーチ橋。いわゆる眼鏡橋です。👓
この奥に神田川の水源である「お茶の水」を眺めることができます。

裏側から見たお茶の水橋
裏側から見ると、石造りではなくコンクリートのようです。
徳川家康が井の頭池の水をくみお茶を点てたという伝説から「お茶の水」と呼ばれています。🍵

水の湧く「お茶の水」
現在は湧水が減少しているため、ポンプでくみ上げています。

弁財天(べんざいてん)の石橋

弁財天の石橋は三鷹市の指定文化財
1817年(文化14年)に造られた太鼓橋。赤色の手すりが印象的です。
井の頭弁財天の石橋は1978年に三鷹市によって指定文化財に指定されました。
他にも、弁財天の狛犬や石灯篭なども指定されています。

横から見た太鼓橋とその他の小さな橋
他にも小さな橋がいくつかあります。

弁天橋(べんてんばし)

曲がりくねった弁天橋
弁天橋は昭和初期に架けられたコンクリートの細長い橋。
2017年の「井の頭恩賜公園開園100周年」に、上皇ご夫妻(当時は天皇皇后両陛下)が井の頭公園を散策されたときに渡った橋でもあります。
橋名板は見当たりませんでした。
綺麗な紅葉が見られるポイントでもあります。

橋から見える弁財天と、水鳥の紹介パネル
弁財天がよく見えます。
見かけた鳥の名前は、パネルでチェックしてみましょう。

急な傾斜があるので注意
幅が狭く急勾配のスロープもあるため、車椅子の方には厳しい橋です。
車椅子で渡ろうした方の動画がありました。
老朽化による架け替えの際に、バリアフリーに配慮した形状にしようという計画があります。
2018年にはアンケートも行われましたが、2020年6月の時点ではまだ工事される様子はありません。

井の頭自然文化園 分園通用口

井の頭動物園の分園通用口に橋を発見
弁天橋の北側には井の頭自然文化園の分園(水生物園)があります。🐟
通用口に橋があるのを見つけました。
橋の名前は不明ですが、一応紹介。
七井橋(なないばし)

井の頭公園といえば七井橋
井の頭公園と聞いて思い浮かぶのは、この橋からの景色でしょう。
吉祥寺駅南口(公園口)から丸井横の「七井橋通り」を進み、公園への階段を降りた先にあります。

人で賑わう七井橋
桜やスワンボートといった井の頭公園を象徴する写真が撮れるスポットです。🦢
ボートに乗るのにも、井の頭自然文化園分園へ入るのにもこの橋を渡ります。
昔は木の橋でしたが、1953年にコンクリートで再建されました。
そのときに一般公募で橋の名称を募集し、「七井橋」と命名されました。
井の頭池が、かつて7箇所の湧き水があったことから「七井の池」と呼ばれていた名残ですね。
夜は足元がライトアップされて幻想的な雰囲気になって素敵です。

ライトアップされた七井橋

ただ夜中の井の頭公園はかなり暗くなるので、女性一人で行くのはやめましょう。
狛江橋(こまえばし)

七井橋の先にあるのが「狛江橋」
七井橋を渡ったボート乗り場から、さらに対岸への橋が「狛江橋」です。
七井橋の一部だと思っている人も多いかもしれませんが、別の橋です。

狛江橋は桜の撮影スポットでもあります

昔はこの辺りも狛江郷と呼ばれる地域の一部だったんですね。
ひょうたん橋

ひょうたん池は綺麗な写真が撮り放題
井の頭池とひょうたん池の間にかかる橋。
小さな橋ですがアーチ状で美しく、ひょうたん池越しに見るのがおすすめ。

春のひょうたん橋

秋のひょうたん橋
浮かぶ葉や、水面に反射する木々などがフォトジェニック。

神田川(かんだがわ)エリア
井の頭池の水は、ひょうたん池を通って神田川へ流れています。
神田川の上流部分も井の頭公園に含まれています。
この三角広場付近は比較的人の少ない穴場エリアです。
水門橋(すいもんばし)

ひょうたん池側から見た水門橋
神田川の最初の橋です。
かつては丸木橋風のデザインでしたが、今は普通のすっきりとしたコンクリート橋となっています。

神田川の源流であることが記されています
ここが神田川の源流。ここから下流が神田川となります。

神田川と記された石碑もあります
あっさりと静かな雰囲気の中、神田川がはじまります。

みどり橋跡

旧みどり橋の橋台
神田川を進と、かつてあったみどり橋の橋台部分が残されています。
滑り台や鉄棒のあるエリアにあるトイレの裏側を探すと見つかります。

みどり橋と刻まれた石
名前の刻まれた石も残っています。
10メートルほど下流に「よしきり橋」があります。

よしきり橋

京王井の頭線の高架下近くの「よしきり橋」
みどり橋がなくなったため、神田川2番目の橋です。
木製に見えますがコンクリートです。

よしきり橋と刻まれた石
みどり橋と同じく、石に橋名が刻まれています。

夕やけ橋(ゆうやけばし)

子どもの声が響く「夕やけ橋」
井の頭公園駅の近くにある三角広場付近にある橋。🌅

ゆうやけ橋の親柱と神田川
神田川の夕やけ橋付近までは親水護岸となっていて、川に降りて遊ぶことができます。
親水エリアの歴史
このエリアが親水化されたのは、市民たちによる「井の頭・神田川を守る会」の活躍によるものです。
1982年に神田川の整備工事が始まりました。下流の洪水を防ぐために川底を削りコンクリートで固めるというものです。
突然始まった工事に驚いた住民は、「子どもたちが水遊びできる川を残そう」と活動を始めます。
何年にもわたる都との交渉によって、現在のような親水化された子どもも遊べる憩いの川となったのです。
みどり橋・よしきり橋・夕やけ橋の3つの橋の名前が公募で決められたのも、住民の交渉によるものです。

神田上水橋(かんだじょうすいばし)

神田上水橋
厳密には井の頭公園の外ですが紹介。公園の東端から出てすぐの橋。
この辺りからコンクリートの護岸となっていて、都市部の川といった雰囲気です。

神田上水橋の橋名板
現在の神田川が江戸への上水道として使われていたころは、上流は「神田上水」と呼ばれていました。
現在は「神田川」で統一されています。

橋に注目して散歩してみよう
改めて並べてみると、井の頭公園にこんなに橋があるんですね。
いつの間にか架け替えられていて、記憶にある橋と違う!と思った人もいるでしょう。特に意識してなかったという人も、次からよく見てみましょう。
